
やり抜く力は「過去の自分」を思い出す声かけで育つ
2026-07-03
「もうやだ!うまく描けない!」
娘がお絵かきの途中で筆を投げ出しそうになった時のことです。
私はこう声をかけました。
「前に〇〇が難しいと思ったけど、やってみたらできたじゃん。」
娘の反応は…
「あー、そうだね……」
渋々、でも認めてくれました(笑)。 そしてしぶしぶながらも、また描き続けてくれたんです。
この声かけ、実はやり抜く力を育てる上でとても大切なアプローチです。
「やり抜く力」って何?
心理学者のアンジェラ・ダックワースが提唱した「グリット(GRIT)」という概念があります。
才能よりも、IQよりも、長期的な目標に向かってやり続ける力が、人生の成功を左右するというもの。
世界中の研究でこんなことがわかっています。
- 難関大学の学生の成績を左右したのはIQではなくグリットだった
- 新人教師が続けられるかどうかもグリットで予測できた
- スポーツ選手の活躍もグリットと深く関係していた
つまり「諦めない力」は、才能と同じくらい、いやそれ以上に大切だということ。
なぜ「過去の成功体験」が効くのか
「もうやだ!」となっている子どもは、今この瞬間の「できない」しか見えていません。
視野がぐっと狭くなっている状態です。
そこで効果的なのが、過去の自分ができたことを思い出させること。
「前に〇〇が難しいと思ったけど、やってみたらできたじゃん」
この一言で、子どもの頭の中に**「あの時もできた」という記憶**が蘇ります。
すると「もしかして今回もできるかも」という気持ちが生まれる。
心理学では**「自己効力感」**と呼ばれる感覚です。「自分はやればできる」という手応えのこと。
この感覚が積み重なっていくことで、少しずつ「やり抜く力」が育っていくんです。
「頑張れ!」より効く理由
「頑張れ!」「諦めないで!」
応援のつもりで言っているこの言葉、実は逆効果になることがあります。
今しんどい子どもに「頑張れ」と言っても、**「これ以上どう頑張るの?」**という気持ちになってしまうから。
それより効くのが、
「前にできたこと」を一緒に思い出すこと。
責めるでも励ますでもなく、ただ事実として「あなたはこれができた」と伝える。
これが子どもの心にそっと火をつけます。
日常で使える声かけのポイント
① 具体的な出来事を挙げる
「前もできたじゃん」ではなく、 「前に〇〇が難しかったけど、やったらできたじゃん」と具体的に。
漠然とした励ましより、記憶に刺さります。
② 結果ではなく「挑戦したこと」を拾う
うまくできた時だけでなく、「やってみた」こと自体を日頃から声に出して残しておくと、後で思い出させやすくなります。
「さっき難しそうだったけど、やってみてたね」という一言が、後の声かけの材料になります。
③ 親が覚えていてあげる
子どもは自分の成功体験をすぐ忘れます。
親が覚えていて、必要な時に「あの時できたよ」と教えてあげることが、やり抜く力の積み立てになります。
完璧にやり抜かなくていい
「やり抜く力」と聞くと、最後まで絶対に諦めない、という印象があるかもしれません。
でも、そんなに構える必要はありません。
今日投げ出しても、また明日挑戦すればいい。 途中で休んでも、また戻ってくればいい。
大事なのは**「またやってみよう」という気持ちが消えないこと。**
そのために親ができることは、子どもの「できた」を覚えていて、必要な時に思い出させてあげること。
それだけで十分です。
今日も、おつかれさまでした。
めろん|保育士資格・保育士経験10年以上。5歳・6歳の娘を育てるママ。保育士の視点と母の視点から、子育てが少しラクになる話を書いています。
X(Twitter)→ @happycherish809